研究の紹介
総合稲作文明学の新構築
本領域では、従来の中国文明研究では軽視されてきた稲作と文明形成との関わりにスポットを当て、考古学を中心に、歴史学、文化遺産学、社会学、地理学、植物学、動物学、人類学、農学、地球化学、年代学等を専門とする多彩な研究者が一丸となり、「総合稲作文明学」という新たな学術領域の創成に挑みます。
具体的には、①アジア稲作発祥地としての中国におけるイネ栽培化プロセスの高精度復元、②長江流域に成立した新石器時代稲作文明の興亡にかかる原因究明、③青銅器時代以降の中国文明において稲作文明が果たした役割の解明、の3点を中心に研究を進めます。それらを通じて、稲作に基盤を置く世界で唯一の古代文明としての中国文明の特質を明らかにし、その強靭なレジリアンスの源泉を探っていきます。